宗教法人と学校法人の金銭貸借

Q 宗教法人が学校法人(幼稚園)に対して金銭を貸し付けた場合、何か問題がある

 でしょうか。

 宗教法人の代表は住職で、学校法人の理事長は住職の父です。
 学校法人は、その資金で建物の建設を行う予定です。
 
 

 1 宗教法人が学校法人に金銭の貸付けをすることは、格別宗教法人の目的に反す

 ることではないと思いますから、通常付すべき利子の約束がある限り問題はないと

 考えます。

  もっとも、多額の金銭の貸付けをすることは、日常の業務に属することではありませ

 んから、住職(代表役員)の一存で決める事柄ではなく、当該宗教法人の正規の決

 議機関(檀徒総代を含めた責任役員会など)の決議を経ておくべきだと考えます。

2 多額の金銭を長期間にわたり継続的に貸付けをすることは、法人税法上収益事業

 に該当します(法人税法施行令5条1項3号)。したがって、その利息収入については

 、法人税の課税対象となり、他の収益事業と合わせて法人税の申告が必要になりま

 す。

  なお、宗教法人が学校法人に金銭の貸付けをすることは、公益の目的に即するとい

 うような議論が想定されますが、法人税法上収益事業に該当するかどうかは、税法に

 定めた収益事業の定型・外形に当たるかどうかで判定するのであり、それが公益の

 目的に即するか否かは問題としておりません。