Q 3月決算法人ですが、上期の賞与は4月20日が支給日なので、決算期にその支給
確定額を未払計上の方法により損金に計上してきました。しかし今年は不況の影響
による業績の悪化に伴う資金繰り上の問題から、前期末に未払計上した金額の
半額を4月20日に、残額を5月20日に支払うこととなりました。支給対象と
なる従業員へは支給総額を前期末に通知し、2回に分けて支給する旨は4月10日
に通知しました。
この場合に、前期末に未払計上した賞与の額のうち損金不算入となるのは、その
全額ですか?それとも1カ月以内に支給しなかった部分の金額ですか?
A 一ヶ月以内に支払わなかった場合は、全額損金不算入
前期末に未払計上した賞与の全額が損金不算入になります。
賞与としての支給額が確定しており、その支給額を従業員に通知してあれば、その
賞与を翌期になってから支払う場合でも、損金経理により未払経理された賞与を当期
の損金の額に計上することができます。しかし、この場合は事業年度終了後1月以内
にその未払計上された賞与全額を支給することが要件とされています。ですので、そ
の賞与の一部であっても。1月以内に支払われていない場合には、この法定要件を満
たしていないことになりますので、、未払計上した賞与の全額が損金不算入となり、実
際に支払った事業年度の損金に計上することとなります。(法令72-5)