地震に伴う助成金(特例措置)

災害のため休業した企業・労働者に向けて
 東日本の大震災は企業活動にも大きな打撃をもたらしました。厚労省は、被害に伴い経済活動上の理由により事業活動が縮小した場合に、企業に対して助成金を利用できる事や労働者に対しては事業の休廃止に伴い、実際に離職していなくとも雇用保険の失業給付が受給できる事等の措置を発表しました。

雇用調整助成金の特別措置
 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)は経済上の理由で事業の縮小を余儀なくされた事業主が雇用維持の為、休業を行った場合、休業手当の一部(中小企業で原則8割)を助成する制度です。今回の地震では次の様な例が対象となります。
①人的・物的交通阻害・途絶及び出勤困難
②事業所・設備が損壊し、修理業者の手配や修理部品の調達困難による早期修理不可能
③需要の減少又は集客困難
④避難指示解除後の風評被害、売上減少
⑤計画停電の実施を受けた事業活動の縮小
⑥これに準ずる経済事情の変化

 支給要件は、最近3ヶ月の生産量、売上高が直前の3ヶ月又は前年同期比5%以上減少している雇用保険適用事業主です。

 さらに青森、岩手、宮城、福島、茨城の県のうち災害救援法適用地域に所在する事業所は最近1ヶ月の生産量、売上高がその直前の1ヶ月又は前年同期比5%以上減少で対象となり、平成23年6月16日までは災害後1ヶ月の生産量、売上高がその直前の1ヶ月又は前年同期比が5%以上減少する見込みの事業所も対象となります。

雇用保険の基本手当の受給の特例
 労働者に向けては失業給付が支給される措置がとられます。
①事業所が直接被害を受け休止・廃止したため休業し賃金が受けられない場合は、実際に離職していない時でも失業給付が受給できます。事業主は休業証明書をハローワークに提出し従業員に休業表を交付します。
②災害救助法の指定地域で直接被害を受けた事務所が休業した場合は、離職証明書を届出し、従業員に離職票を交付します。

 この失業給付は雇用保険に6ヶ月以上加入している必要があります。又、事業所が雇用調整助成金を受給した場合は失業給付の対象とはならないので注意が必要です。