(問1) ある郊外の住宅地で100㎡の土地と1000㎡の土地が並んである
とします。100㎡の土地は2000万円としたら1000㎡の土地はいくらにな
るでしょう?
小学校3年生くらいの問題でしょうか?でもこの答え2億じゃないんですよ。
土地の価格とは買い手がいてはじめて決まるものです。どんなに価値がある
と思っていても買い手がいなければ値段はつきません。
そのある住宅地で土地を求める人たちは、100㎡くらいに2000万が
予算なのです。ほとんどの人たちは1000㎡の土地を求めていません。
それほどの予算があれがもっと立地のいい都心の一等地を購入しますよ
ね。ですからこの辺に地域では100㎡ごとでしか売れないんです。となる
と1000㎡の土地
はどうなるかといいますと、マンション業者の購入が一
番いい有効活用ですが、そうでない場合は土地をこま切れにして売ります。
そのとき、造成費用、開発許可、私道など、かなりのまとまった費用が累
積します。その結果、売却値段もさることながらその費用を差し引いたら、
良くて6掛け程度となるのです。
この現象は不動産業界では当たり前のことです。面大減価(めんだいげ
んか)というものがあります。その考えだと多く見積もっても1億2000万く
らいが答えとなります。
一つ一つの不動産がそれぞれ個別色が強いために客観的な値段が付け
られないんです。りんごのように大きさと糖度と産地でおおよその値段がつ
けられるのと対照的にその辺が不動産流通市場の特異性なんでしょう。
これが、相続税上の評価通達にうまく反映されていなかったんです、いま
まで。
評価は時価より高くなるわけです。ですから皆さんその土地を物納するん
です。これもいわるゆる節税となるのですが。
国税の評価通達はあくまで国の考えた評価です。税理士など、土地に関
して素人(土地家屋調査士等と比べて)が画一的に評価できるよう簡素化し
た手法を取り入れているのはわかりますけれども、あまりにもって批判が多
かったんです。
さすがにそれが改正なりました。