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ポイントチェック
新賃金制度を拒否する従業員の解雇
[相談]
当社では、経営悪化とともに成果主義賃金制度の普及から、賃金制度を新しく
制定しました。等級を設け、各等級における基本給に上限をつけました。50代
の社員Aをその職務態度・能力により一番下の等級にランクづけしたのですが、
現状の基本給がその等級における基本給の上限を超えているため、3年かけて段
階的に削減することを伝えたところ、同意が得られません。この場合、従来の賃
金を支払うしかないのでしょうか。それとも、普通解雇はできるのでしょうか。
[回答]
どこまで強行に争うかという問題になってくる部分もあろうかと思います。
組合もない、本人の同意も得られないという状況とすれば、いわゆる「就業規
則の不利益変更」の問題になってきます。その内容が合理的なものであると判断
されるのであれば、強行に削減し、法的手続きによる解決にゆだねるということ
になろうかと思います。
いずれにしてこの事由を持って解雇するとすれば、不当解雇とされるのは間違
いないでしょう。
今回のように人事制度改定に際してトラブルになるのは、本人への十分な説明
がなされていないことが多いように思います。会社・本人双方のためにも、再度
十分に話し合って同意をもらう方向で調整するのが重要と思います。
なお合理性の判断に関し、以下に第四銀行事件の判決文を引用します。
■第四銀行事件[最高裁平成9年2月28日]
新たな就業規則の作成又は変更によって労働者の既得の権利を奪
い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則と
して許されないが、労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ
画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該規則
条項が合理的なものである限り、個々の労働者において、これに
同意しないことを理由として、その適用を拒むことは許されない。
そして、右にいう当該規則条項が合理的なものであるとは、当該
就業規則の作成又は変更が、その必要性及び内容の両面からみて、
それによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても、
なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認すること
ができるだけの合理性を有するものであることをいい、特に、賃
金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質
的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、当該条
項が、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容
することができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容の
ものである場合において、その効力を生ずるものというべきであ
る。右の合理性の有無は、具体的には、就業規則の変更によって
労働者が被る不利益の程度、使用者側の変更の必要性の内容・程
度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連
する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯、他の
労働組合又は他の従業員の対応、同種事項に関する我が国社会に
おける一般的状況等を総合考慮して判断すべきである。新たな就
業規則の作成又は変更によって労働者の既得の権利を奪い、労働
者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として許さ
れないが、労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ画一的な
決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該規則条項が合
理的なものである限り、個々の労働者において、これに同意しな
いことを理由として、その適用を拒むことは許されない。そして、
右にいう当該規則条項が合理的なものであるとは、当該就業規則
の作成又は変更が、その必要性及び内容の両面からみて、それに
よって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても、なお
当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認することがで
きるだけの合理性を有するものであることをいい、特に、賃金、
退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な
不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、当該条項が、
そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容するこ
とができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のもので
ある場合において、その効力を生ずるものというべきである。右
の合理性の有無は、具体的には、就業規則の変更によって労働者
が被る不利益の程度、使用者側の変更の必要性の内容・程度、変
更後の就業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連する他
の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯、他の労働組
合又は他の従業員の対応、同種事項に関する我が国社会における
一般的状況等を総合考慮して判断すべきである。
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