収用と生産緑地

 収用とは、国等の公共団体が皆様の土地を半ば強制に買い取って例えば道路など敷設するようなことです。これも国家の繁栄のために従わざるを得ないことですね。

 ここで、収用のメリットデメリットを列挙したいところですが、今回は生産緑地に絞っていきます。

 設定は生産緑地による納税猶予を受けている場合に今回の収用によって土地を買収されたとしましょう。

 収容によって土地がなくなるわけですから、売却金額とともに農業を継続する義務からも解放されます。基本的に収容による売却金額はいろいろな補償金が合わさるので市場価格より高いケースが多いです。

 収用された農家にとっては決して悪くないお話かと思われます。しかし、税金面はそうはいきません。

 納税猶予を受けていたわけですから、その猶予がなくなります。直ちに猶予税額を利息とともに納付しなければいけません。たとえ国に収用されたからといって、国からもらったお金をまた国に納付する仕組みにはいささか納得いきませんが、現実はそうなんです。

 ですので、部分的に収用がかかった場合なんかはかえって損するケースを考えられます。

 農地の収用の際は、ぜひ有識者とご相談してください。